■ a mild case ■


 いつものようにギロロが日向家の庭で武器の手入れをしていると、珍しくケロロがやってきて、手伝うと言い出した。
どういう風の吹き回しかとギロロは不審に思ったが、申し出を断る理由もなく。

「ガンプラで鍛えた磨き技、どどーんと披露するであります!」
慎重な作業を要さない武器(ナイフ)を与えてやると、ケロロは張り切って磨き始めた。



ところが。


ものの数分もしないうちに、ケロロが叫び声をあげた。

「痛ってーっ!!大事故であります!」

見ると、指先から血が出ている。
どうやらナイフの刃先で切ってしまったらしい。
怪我とも呼べないような、小さな傷。
「ふん、大げさな」
呆れて言ったギロロに、ケロロは不満げな声を出した。
「あ、冷てー」
「そんな傷、舐めときゃ治る」
ギロロの言葉に、ケロロはピコピコと歩み寄ると、
「舐めて」

「なっ・・・」
衝撃で、ギロロは磨いていた銃をつま先の上に落としてしまい――。

「のわーっ!!」
「ゲ〜ロゲロゲロ」

「やっぱり暇つぶしには、ギロロの側が一番でありますなぁ」

ひとしきり笑うと、ピョコピョコと飛び回るギロロをその場に残し、ケロロは満足そうに日向家へと戻っていった。



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あり・・・腐って、ない。。。ような。(汗)
お、おかしいな。ちょっと甘いお話になる予定だったのに。

タイトルの『mild case』は、『軽症』の意味です。『軽傷』と辞書を引き間違えました。(爆)
でもまぁ、『mild』には『甘い』とかそんな意味もあるので、敢えてそのままで。
ちなみに、『軽傷』は『a slight wound』だそうだ。『ちょっとした侮辱』って無理やり意訳してもよかったかなぁ。
いや、でも、甘いほうがイイな。タイトルくらい。orz

舐めてやればイイんじゃないの?