■ はじまりの朝 ■




テントの入り口を覆う布の隙間から柔らかな日差しが射し込み、外では雀たちが可愛らしく鳴いている。


そんな爽やかな朝に、呆然とする二人。


――何故、何故こんなことに…!?



ギロロはちらりとケロロを伺い見るが、
背を向けたケロロの表情は見えない。
しかしまぁ、いつまでも黙りこくって座っている訳にもいかないだろうと、
ギロロは意を決してケロロに話しかけた。
「おい、ケロ――」
「…忘れよう?」
「は?」
伸ばしかけた腕が空中で止まる。

「うん、そうしよう。夕べのことは――我輩も忘れるし、ギロロも忘れる」

――あんな衝撃的なこと、どーやって忘れろっちゅーんだ!!

そう言いたいのは山々だったが。
「それが、一番イイであります」
思いっきり後悔を滲ませた声色で、背を向けられたまま言われたら、
「そうだな」

と答える以外にできることは無いと、ギロロには思われた。
もし、伸ばした手が届いていたら、
もし、ケロロの顔を少しでも見ることが出来ていたら、

その判断は、間違っていることに気づけたのだろうけれども。








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幸せでない朝チュン。
チュンって、スズメの鳴き声ですよね。
スズメといえば、数が激減しているそうで。
そのうち絶滅危惧種になっちゃうんじゃないかとも言われているそうで。
そしたら、朝チュンという言葉も、「昔、スズメという鳥がいてね…」と
語られるようになるんでしょうか。

…なんて、どーでもイイですね。ギロケロ語れよ!
ベタな展開のドラマ(の再放送)を見ていて思いつきました。
なので、これの結末はきっとハッピーエンドです。たぶん。