■ A life less ordinary 3 ■ | |||||
その夜。 |
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食後の片づけを隊員達に押し付けたケロロは、のんびりとテレビを見た後、自室へと戻っていた。 「さ〜て、お休み前のガンプラタイムであります♪」 とか言ってついつい明け方までやっちゃったりするんでありますよ、などと呟きながら、ケロロはいそいそとガンプラ作りに励み始めた。 |
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ところが、数分後。 |
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「ってゆーか、つまらないであります。 飽きたってゆーか、全然面白くないって感じィ」 独り言を言うと、ケロロはニッパーをポイと投げ捨てた。 ゴトン、という音でハッと我に返る。 |
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――なんですとーっ!?!? ――我輩、今、なんと――っ!? 自分の呟きに、愕然とするケロロ。 そう言えば、今日はゲロロ艦長の放送日。 覚えていたはずなのに、今日に限ってケロロはあっさりと夏美にチャンネル権を譲っていた。 未だかつて、こんなことは一度だってなかったのに。 ――我輩、どこかおかしいであります! |
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ガンプラで、やっと事の重大さ?を感じ始めたケロロは、居ても立ってもいられず、自分の部屋を飛び出した。 向かう先は、庭。 |
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「ギロローっ! 聞いてーっ!!」 声もかけずに、テントに飛び込む。 「んなっ!? 何ごとだっ!!」 と、既に寝ていたらしいギロロが(心臓に手を当てつつ)跳ね起きた。 |
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「我輩、病気かもしれないんであります!」 「あ?あぁ…昼間そういう話をしたと思うが…」 ギロロの言葉なんか耳に入っていないケロロは、一気にまくしたてた。 「だってね?ガンプラ作っててもちっとも楽しくないんであります!さっきもホンの何分かで投げ出しちゃったし、事もあろうに、『つまんねー』発言までしちゃったんでありますよ!?ゲロロ艦長のアニメも見逃しちゃうし、ビデオも撮ってないのに、別にまぁいっかって思ってる自分がいるんでありますよ!」 |
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「ねーっ? 変でしょ? おかしいでしょーっ!?」 はぁはぁと肩で息をして、涙ながらに訴えるケロロ。 「おぃ、ケロロ…まさか、それだけじゃないだろうな?」 |
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「もちろんであります!漫画も読む気が失せたんであります!」 「ガンプラに飽きたとかアニメに興味を失ったとかいうしょーもない報告のためだけにわざわさ人を叩き起こしたのか!?」 「"しょーもない"って何よ!我輩の一大事なのに!」 「一大事というなら、朝からずっと一大事だったろーが!!」 ギロロの正論に、ケロロが詰まる。 「それは…」 口の中でモゴモゴ言っているケロロに、ギロロははぁとため息をつき、 「その話はまた明日聞いてやるから、今日はもう部屋に帰れ。…女がこんな時間に男の寝所に来るものじゃない」 厳しくなりすぎないように諭したつもりであったが、 「我輩、女じゃないであります!」 逆にそれがケロロの癇に障ったらしい。いまさら何を言っているんだ、とギロロがうんざりした顔をする。 「今は女だろうが」 普段ならばそんなことでギャーギャーと騒いだりはしないのに、性格にも影響が出ているらしいな、とギロロは心の中で思った。 |
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ヒステリーに付き合うのはゴメンだ、と小さく呟くと、ギロロはケロロの手を取った。 「何すんだよ」 「嫌なら振りほどいてみろ」 試すような言葉にむっとして、ケロロが思いっきり腕を動かしても、ビクともしない。 「放してよ!」 「そんなに強く掴んでないぞ」 |
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「こんなものも振りほどけないんだろうが」 それが悔しくて、ケロロはめちゃくちゃに腕を引っ張るが、ただギロロに掴まれた箇所が痛くなるだけだった。 そうあっても、ギロロは眉一つ動かしていない。 がっくりとうなだれたケロロが 「…痛い…」 と呟くと、 「分かったら、さっさと自分の部屋に戻って寝ろ」 と、ギロロはケロロの手を放した。 |
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ケロロは俯いたまま立ち上がると、ギロロの顔を見ないようにしてテントを走り出た。 「ギロロの馬鹿ーっ!!」 という捨て台詞を残して。 |
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続く |
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------------------------------------------------------------------------ ちょっと腐った雰囲気になってきたでしょうか?(それはどうかな) ガンプラに興味を失ってしまったことで、(やっと)危機感を覚える軍曹。 一番に相談しに行く先はギロロ♪(もげの趣味v) |
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ちょっとやりすぎたかな?と反省するギロロさんの図。 (描いたけどボツにしたもの) やりすぎどころか、ちょっと紳士的過ぎるんじゃねーの?と仰るお姉さまのためにおまけを用意しましたので、ご覧くださいませ。(寸止めですが(^^;) 合意の上でないので、そんなギロロは嫌。という方は見ないでください。 それと、おまけですので、本編とは切り離してみてくださいね。 |
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据え膳食わぬは男の恥って言うだろうが! |
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